うつ病

うつ病は、身体の中の陰陽のバランス(気血のバランス)が失調して、心の神明に影響を及ぼしたと考えられています。「凡そ病は、鬱によりておこること多し」といわれるように、病気の多くは精神的な要素によっておこると考えられています。うつ病は、その代表的な疾患です。
身体の真陽のバランスを崩す原因が七情(喜・怒・憂・思・悲・恐・驚)という精神的ストレスとされています。
そして、この影響をうけて、バランスや機能が崩れやすいのが、肝の疏泄(肝気→自律神経)であるといえます。
はっきりした原因があるものは、それを除ければ除くことが大事ですが、自分の意思ではどうにもならない場合も多いものです。治療の基本は、肝鬱の症状をのぞいて、自律神経を安定させ、気血(陰陽)のバランスを調整しながら、気血を巡らせることです。

①いらいらや緊張が強いとき
肝気を降ろしながら沈静して重鎮安神をするのが良いと考えます。柴胡加竜骨牡蠣湯がまずが考えられが、燥性が強く長期にわたると陰血を消耗してしまうので、芍薬甘草湯で肝気を下げながら酸甘化陰の作用で陰血を補って気血のバランスをとることが重要です。また鉱物生薬配合の安神重鎮薬のミンハオを足してあげるととても有効です。

②憂うつ感や気分が十分に晴れないとき
気血(陰陽)のバランスが悪く特に気が巡らないことによっておこるものと考えられますので、疏肝解鬱して、機能である気を十分に巡らせてあげることが重要です。柴胡疏肝湯が適していますが、それに理気の作用を足す意味で、半夏厚朴湯や香蘇散を加えます。

③疲労感や不安感が強いとき
脾気虚によって、気血(陰陽)のバランスがくずれて、そこに肝鬱などが入ったと考えます。特に鬱の場合は、心という臓腑のバランスの問題だと思われますので、心脾両虚の状態になると考えます。帰脾湯を中心に陰陽(気血)のバランスをとりつつ神明を鎮静することが大事です。また先天性のエネルギー不足やホルモン不足も年齢によって考えていかなくてはいけません。