腰痛

腰痛の原因と症状

原因別に起こりやすい腰痛の症状をまとめてみました

姿勢の悪さによって起こる腰痛

良い姿勢とは背骨が縦に緩やかにS字カーブを描いている状態ですが、 猫背や腰が反り過ぎているとS字カーブは描けず、腰椎(背骨の下部、腰のあたりの背骨です)付近の筋肉や靭帯が疲労して痛みが生じてしまいます。パソコンやデスクワークの多い人に多くみられます。

ぎっくり腰(急性腰痛症)

医学的には急性腰痛症、欧米では「魔女の一撃」とも表現されます。 ぎっくり腰は腰を使った急な動き(重いものを一気に持ち上げる)によって腰の筋肉や靭帯に起こる捻挫とされます。 捻挫が起こった部分には炎症が起こり、つらい痛みが発生します。

坐骨神経痛

坐骨神経痛もぎっくり腰と並んで腰痛の代表格ともいえる存在ですが、これは症状に対する名前であって病名ではありません。 坐骨神経痛はなんらかの原因で坐骨神経が刺激されて起こる痛みの総称です。 したがって、下記で解説している椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症などを含めた腰痛をまとめて「坐骨神経痛」としています。 坐骨神経とは腰から足にまで続く長い神経であり、坐骨神経痛を患うと神経に沿って下肢にしびれや麻痺が生じるという特徴があります。

椎間板ヘルニア

腰椎を構成する椎骨(ついこつ)と椎骨の間にはクッション材の役割を担っている椎間板が存在します。 椎間板ヘルニアはこの椎間板が何らかの原因で飛び出してしまい、神経を圧迫することで痛みが生じます。 椎間板ヘルニアの特徴としては神経圧迫によって起こる下肢のしびれや麻痺を伴う点です。

脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)

脊柱とは簡単にいえば背骨のことです。この脊柱の中には脊柱管という空洞があり、そこには馬尾(ばび)などの神経や靭帯が収められています。 狭窄とは狭くなることです。したがって、脊柱管狭窄症は脊柱管の空洞が狭くなって起こる腰痛ということになります。 より詳しく説明すると、主に加齢によって椎間板が弱くなったり、靭帯の弾力性が低下したりすると徐々に脊柱管が狭くなってしまいます。 そして、脊柱管が狭くなったことで、そのなかに収められていた神経が圧迫され、痛みが生じるのが脊柱管狭窄症です。 椎間板ヘルニアと同じように腰痛だけではなく下肢のしびれや麻痺が特徴です。

腰椎変性すべり症

しばしば略されて「すべり症」と呼ばれます。 その名の通り、椎間板というクッション材を挟んで積み上がっている腰椎同士がすべるようにずれてしまう病気です。 多くは腰椎が前にすべってしまい、脊柱管内に収められている神経が圧迫されることで腰痛が起こります。 脊柱管狭窄症と同様に加齢によって起こりやすくなる腰痛の一つです。

圧迫骨折

加齢によって骨密度が減少する病気を骨粗鬆症(こつそしょうしょう)といいます。 椎骨は特に骨粗鬆症を患いやすく、圧迫骨折が起こりやすい部分とされています。 椎骨の圧迫骨折による腰痛は背中の中央部から上にかけて発生しやすい特徴もあります。

腰痛の漢方医学的解釈

漢方医学的に見ても腰痛の原因はいくつか考えられます。 大きく分けると血液の滞りである瘀血が関与しているもの、 うまく利用されていない水の塊である痰湿(たんしつ)が関与しているもの、そして加齢に伴う腎虚(じんきょ)が関与しているものです。

瘀血 の場合・・・・・ 腰痛以外にも生理痛などの刺すような鋭い痛みは瘀血が絡んでいることが多いです。 高血圧、静脈瘤、多発するアザ、生理痛、顔色の黒色化などが見られるようならば瘀血の存在を疑うべきです。

痰湿の場合・・・・・瘀血 の痛みと違って痰湿が絡んだ痛みは鈍く重いという特徴があります。 しばしば、夏場の高温多湿な状態で悪化する腰痛や関節リウマチなどは痰湿が絡んでいるケースが多いです。

腎虚の場合・・・・・現代風にいえば加齢によって起こる諸症状の原因とされます。 腎虚になると腰痛以外にも足腰の弱り、下肢の冷え、歩行障害、排尿障害などの症状が引き起こされます。 腎虚由来の痛みはマッサージや温めることで一時的に回復しやすい傾向があります。

漢方薬を用いた腰痛の治療

上記で示した、瘀血、痰湿、そして腎虚に対応した漢方薬を使用することになります。 しかし、多くの場合はこれらが重なり合っている場合がほとんどなので臨機応変な対応が必要になります。

まず、瘀血を除去するためには血液の流れを促す生薬(活血薬)である丹参、当帰、芍薬、川キュウ、牡丹皮、紅花、田七人参、延胡索が使用されます。 これらに加えて気の流れ自体を促す生薬(理気薬)である柴胡、枳実、陳皮、半夏、厚朴、香附子も併用されます。

痰湿を除去するためには生薬(化痰薬)である半夏、陳皮、橘皮、竹茹、生姜が使用されます。 痰湿はしばしば脾胃(消化器)の不調が原因で生まれやすいので、脾胃を立て直す人参、黄耆、大棗、白朮、甘草などの補気薬も併せて用いられることが多いです。

腎虚による腰痛の場合、腎の気を補う生薬(補腎薬)である熟地黄、鹿茸、山茱萸、山薬などが用いられます。 下肢の冷えなどが顕著な場合は身体を温める作用に優れている桂皮、乾姜、細辛、呉茱萸、附子などの散寒薬も追加されます。 患部を含めた身体を温めることによって瘀血や痰湿も取り除きやすくなるので、腰痛に不可欠な生薬たちです。

これら以外にも主訴や体質が微妙に異なる場合はそれに合わせて漢方薬を対応させる必要があります。 したがって、実際に調合する漢方薬の内容もさまざまに変化してゆきますので、 一般の方が自分に合った漢方薬を独力で選ぶのは非常に困難といえるでしょう。

おわりに

近年、腰痛を患われている方がとても多くなった印象を受けます。 やはりストレス社会と呼ばれる多忙な今日の世相を反映しているのかもしれません。 漢方薬は西洋薬では対応しきれないより根本的な原因に対応することができるものです。 当薬局では西洋薬を服用してもなかなか改善が見られなかった方がしばしば来局されます。 そして漢方薬を服用し始めてから、症状が好転する方がとても多くいらっしゃることから、腰痛と漢方薬は「相性」が良いと実感しています。 是非一度、腰痛にお悩みの方は当薬局にご来局くださいませ。

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