多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

1・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは
両側卵巣に未熟な卵胞(5~10mm)がたくさんでき、ネックレス状につながった嚢胞状腫大(「ネックレスサ
  イ」という)を特徴とする症候群です。卵巣の外側の膜が厚く排卵できない状態になります。そのため排卵
  を促す黄体ホルモン(LH)の値が常時高くなります。
  基礎体温では、高温期への移行に時間がかかり3日以上かかります。また周期も遅れがちになり、稀発
  月経となっていきます。また一層性で無月経の方もみられます。
  女性の7~10%にみられ、排卵障害の20~40%を占めます。
2・病態生理
卵胞はFSH(卵胞刺激ホルモン)によって発育しますが、PCOSではLH(黄体化ホルモン)がFSHと比較して
  高いために、卵胞は途中までしか発育せず、途中まで育った卵胞が排卵できないまま卵巣の表面化に5
  ~10mm程度の嚢胞がたくさんたまってしまうのです。(主席卵胞が発現しない)。またこの疾患では男性
  ホルモンが正常の女性より高い値を示すことがあり、そのために卵巣の表面の膜が厚くなり排卵にいたり
  ません。
3・多嚢胞性卵巣症候群の新診断基準
①月経異常(無月経、稀発月経、無排卵周期症)
  ②多嚢胞性卵巣(経膣超音波断層法検査)
  ③血中男性ホルモンの値または、LH基礎値高値かつFSH基礎値正常
4・症状
①月経異常(無月経、稀発月経、無排卵周期症)
  ②不妊
  ③肥満
  ④男性化(多毛、にきび、低音性など)
5・西洋医学の治療(排卵を促す)

①クロミフェン療法(月経開始5日目より5日間連続投与)
    問題 排卵率60%位
  と効果が少ない
       ・クロミフェン単独投与で無効の場合は 
          +副腎皮質ホルモン
        +糖代謝改善薬(メトフォルミン)
      ②ゴナドトロピン療法(hMG-hCG注)
利点 高い排卵率
     問題 多胎妊娠
         卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
       ③外科的手術(腹腔鏡下手術)
6・漢方薬での治療
多嚢胞自体は 痰湿ととらえ去痰消腫補腎剤として、シベリア霊芝に療法調血顆粒をあわせます。
   大事なのは、多嚢胞性卵巣症候群になりやすい、なってしまった体質を治すことです。体質の基本
   原理は、腎陽虚が多く、腎陰虚、痰湿、血瘀、肝鬱気滞がみられます。
   ■補腎薬をベースに使用します。
     鹿茸大補湯、参茸補血丸、瀉火補腎丸他
   ■肝鬱気滞があれば疏肝理気薬を合わせる
     療法調律顆粒、炒麦芽他
   ■瘀血があれば活血化瘀薬
     冠元顆粒、水快宝他
   ■痰湿があれば痰湿を除く化痰薬を合わせる
     温胆湯、二陳湯他
基本的に漢方治療は多嚢胞性卵巣症候群(PCOSS)に対して、お客様一人ひとり必要な漢方を選択していきます。高度な漢方知識と経験が必要となりますので、是非ご相談は中医学、漢方の専門員のいるところにご相談してみてください。