逆流性食道炎②

逆流性食道炎の主症状の一つである呑酸にスポットを当て、中医学的な捉え方についてご紹介させていただきます。

☆呑酸について☆
呑酸とは酸水が胃から溢れ出し喉に流れ込む疾患を指し、口外に吐出した場合は吐酸と表現されます。両者は類似しており、これらの疾患は胃痛、暖気と併見されることがあります。
歴史上における認識では、酸が溢れる(吐く)という病態は皇帝内経 素問・至真要大論からみられます。至真要大論では「少陽・相火の気が盛んになり過ぎると、熱気が胃に滞留して酸っぱい胃液を嘔逆する」とあり、病因は熱によるものと記されています。後の金元時代の各家も吐酸、呑酸の病因について述べており、あるものは熱、あるものは寒で起こると主張しています。現代では寒熱のいずれからでも起こると考えられ、弁証もまずは寒熱を明確にすることが重要であるとされています。
吐酸・呑酸の病因としては、以下のものが挙げられています
①飲食の不摂生:肥甘厚味の過食により脾胃が損傷して湿熱が内生する。同時に胃気の損傷が起こるため、和降が失調し酸水が上る

②寒邪の感受:受寒・冷飲食の過食により脾胃が損傷して、中焦で湿濁が停滞する。胃腸の損傷は和降の失調に繋がり、酸水が上る。

③:情志の失調:鬱怒により肝が損傷すると肝気が鬱滞し、横逆して胃を犯す。思慮により脾が損傷すると、中気の不足が起こる。両者とも胃の和降に影響するため、酸水が上る

④:脾胃の虚弱:生まれつき脾胃が虚弱であり、中気不足・運化失調が見受けられる。このため、胃の和降が失調し酸水が上る。

以上により病気は胃気の不和が中心となりますが、その病因は食滞・寒邪・肝・脾が関わることで起こる疾患であることがわかります。