突発性難聴

突然発症する原因不明の内耳性難聴が発症する疾患です。「徐々に聞こえなくなっていった」ということでなく、突発的に聞こえが悪くなります。耳鳴りや耳閉塞を伴うことが多く、めまいも発症の瞬間に伴うことが多いですが、持続性なめまいが続く場合はほかの疾患も考えられます。
明確な原因は分かっていませんが、ストレスや疲労、内耳の循環不全、ウイルス感染が一因であると考えられていますが、近年増加傾向にあることから、食生活や生活習慣の変化が関与しているとも思えます。

病院での治療・・・・早期治療が重要です。発症から10日以上が経過すると、聴力が回復する可能性が低く
なるといわれています。治療方法はステロイド剤投与、あるいは循環改善剤、代謝賦活
薬(アデホスコーワ)、ビタミン剤(メチコバール)や星状神経節の神経ブロック(交換神
経を抑制して痛みの伝達をブロックする)や、高気圧酸素療法(高気圧環境下において
高濃度の酸素を吸入)なども行われます。ただいずれも確立した治療法ではありませ
ん。治療後は1/3の方がまったく改善しないというデーターがあります。

中医学での治療・・・・中医学では突発性難聴を4つのタイプに分けて考えます
①風熱タイプ
熱邪を伴う邪気(ウイルスなど)が原因のタイプ。
悪寒、発熱、のどの痛みを伴うことがあります。耳塞感を強く感じることが多い。
漢方では天津感冒片などがおすすめです。
②肝火上炎タイプ
ストレスや不安など精神的なことが原因のタイプ。
「イライラしやすい」「神経質」「のぼせやすい」「目が充血したり、顔面紅潮したり する」等の体質の方に多く、ストレスが発散出来ないと、気が上昇しすぎて首から上の炎症(口内炎、高血圧、皮膚炎、出血性のもの)の症状が出やすくなります。
高音の耳鳴りが伴い、偏頭痛、めまいなどの症状が伴うこともあり、怒ると悪化しま す。
漢方では瀉下利湿顆粒、療法調律顆粒などがおすすめです。
また、お酒や辛い物、刺激の強いものは避け、熱を鎮める瓜(すいか、冬瓜、きゅうり)を積極的にとりましょう。
 ③痰火上昇タイプ
食生活の乱れなどによって生じた湿熱が原因のタイプ。
耳鳴りがよくなったり、ひどくなったり、また耳の閉塞感や頭重、口苦などの症状が 現れたりします。
漢方では、湿と熱を取りのぞくイスクラ温胆湯がおすすめです。
食べ過ぎ、飲みすぎがもともとの原因ですので、食養生が必要です。
④腎精不足タイプ
腎精とは生命エネルギーや生殖活動のエネルギーのことです。年齢とともに増加し
て、ピークを過ぎると減少していきます。その指標は女性は7の倍数、男性は8の倍
数で示されています。
老化は自然の理で避けられませんが、腎精の不足を補うことが中医学では出来ま
す。それにはまず、生活スタイルを整えること、寝不足や過剰の性生活の改善、黒
い食材(黒豆、黒ごま、海藻、黒きくらげなど)をとるようにしましょう。
漢方では、補腎薬のジメイ丸、牛車腎気丸、参馬補腎丸等がおすすめです。